不動産を売却して納税する場合
相続財産が不動産ばかりで現金が少ない場合など、相続税を一括で支払えない状態の場合は、相続した不動産を売却した現金で納付をするという方法があります。
しかし、相続税の申告及び納税期限はあくまで相続が発生したことを知った日の翌日から10か月以内と期限があります。この期限を過ぎてしまうと延滞税や加算税など、余分な税金がかかってきてしまうので、それまでに不動産の評価、相続人での遺産分割のまとめ、不動産の名義変更、売却契約などを済まさないといけません。これらを10ヵ月以内に完了することができれば、売却によってできた現金で納税することが可能です。
相続税申告の期限までに不動産が売却できなかった場合は、物納や延納を考えなければなりません。不動産が多く現金はあまりないが、相続税はかかりそう…という方は生前に財産の整理をし、なるべく相続人の負担にならないような相続になるよう対策をしておく必要があります。
相続した不動産を売却する場合の特例
相続によって取得した不動産を売却する場合、譲渡所得税が軽減されます。これを相続税の取得費加算の特例といいます。
この特例は、不動産を相続した際に相続税を納税している場合には、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができるという制度です。つまり、不動産を相続した際に相続税を支払っている上に、売却する際にも儲かったお金(譲渡益)に対しさらに所得税がかかると税金の負担が大きくなってしまうので、その分を控除するというものです。
ただし、この特例は相続税申告期限の3年以内に不動産を売却した場合に適用されます。
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